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12/20 格付けが招くソブリン間の不和

◇マーケット・ウィンドウズ  

 今年後半に市場の欧州債務不安を増幅させた主因は、中銀や政治家の対応への不満が主因ではあるが、Sovereign格付けの引き下げが警戒感を強めたことも否定出来ない。格下げ懸念は周辺国からフランス・ドイツなど中核国へも及び、EUやEFSFなどの枠組みすらも「信用不信」の荒波に晒されようとしている。それは英仏間のひび割れをも惹起しようとしている。この格付けシステムの悪影響は、市場経済に止まらない危険性もある。

 先週Moody’sはベルギー格付けをAa1からAa3へ2 Notch引き下げて見通しをNegativeとした。Fitchもフランスの見通しをNegativeとし、イタリアやスペインなど欧州6か国を引き下げ方向で見直すと発表している。恐らく来年1月には格下げが発表されるだろう。S&PによるEUやEFSF格下げも恐らく時間の問題だ。市場の感応度は流石に鈍化し始めているものの、格下げされる国々の憤激は容易には収まらない。

 その典型が、先週末のフランス中銀Noyer総裁の発言であった。同氏は格付け会社がより懸念すべきは財政赤字・連邦債務・インフレ・低成長で苦しむ英国だと述べた。恐らく真意は格付け会社に対する批判であったと思われるが、英国政府はこれを「問題のすり替えだ」と捉えて強く非難した。この総裁発言に続きBaroin仏経済相までもが「フランスより英国の方が経済的に問題がある」と述べたことで、更に英国の神経を逆撫でしてしまった、とFT紙は報じている。

 英Clegg副首相は仏Fillon首相に対して「こうした発言は全く受け容れられない」と厳しく批判した。フランス側は「意図したのは格付け会社への警告だ」と弁明しているが、英国議会ではこうした発言に刺激されて反仏感情も高まっている。もっとも今年の英国の財政赤字はGDP比9%を超えており、フランスの5.7%より遥かに高い。フランス側の恨み節に全く根拠が無い訳ではない。Sovereign格付けに重大な欠陥があることは否定出来ない。

もっとも英仏間の感情的対立には、先般のEU協定改正を巡る不和も影響している。Cameron首相の不参加表明にSarkozy大統領は激怒しており、会話が成立する状況にはない、と同紙は報じている。だがOsborne財務相がフランスとギリシアの共通性を示唆したこともフランスの怒りを買ったことも事実だ。こうした格付け論争が英仏間だけで収束するとは限らない。一刻も早くこの欠陥システムを修正させなければ、国際協調体制にも悪影響が出始めるかもしれない。


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