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12/19 消えないギリシアのユーロ離脱論

◇世界潮流 倉都康行  

 EUサミットの結果に対し、Moody’sやFitchなど格付け会社は「不合格点」を与え、欧州各国の格下げは不可避の状況となっている。もっとも複雑怪奇な欧州を対象に、企業格付けと同じような判定を下す格付け会社の単純作業に限界があることは明らかだ。ユーロ圏は時間を稼ぎながら長期的な処方箋での療法を続けることになるだろう。但しその過程で17か国の体制を存続させることは、やはり困難のように思われる。
 市場は、格付け会社の厳しい判断にあらためてユーロ危機の克服の難しさを認識したとも言える。但し格付け会社の望むような「大胆な判断」を下していれば、ドイツの内政は崩壊しEU自体にひび割れのリスクが生じただろう。独仏首脳の選択肢は極めて限定的であったとも言える。財政規律強化の路線を過小評価すべきではない。とは言ってもギリシアなどのユーロ離脱が無くなった訳ではない。その意味ではユーロ圏の正念場はむしろ来年以降と見るべきかもしれない。

 市場はユーロ危機の継続性を不安視しているが、UC BerkeleyのEichengreen教授は「2012年のユーロ危機は無いだろう」との見方を披露している。EUが取り敢えず時間を稼いだのは事実だ。だが、統一通貨の枠組みの脆弱性は残ったままである。先週ECBのDraghi総裁も「Contingency Planを作っておく慎重さは重要だ」と述べている。ギリシアを念頭にした発言ではないにせよ、欧州の「PLAN B」への対応は必須となりつつある。

 野村証券は先月、ギリシアがドラクマに戻れば新通貨は60%減価するとの見方を示し、UBSはハイパーインフレ、クーデター、市民戦争による国家分裂の可能性まで指摘した。NY Times紙に拠れば、フランスIESEGのEric Dor教授は「ユーロ離脱に備えたユーザーズ・ガイド」なる論文で新通貨移行へのプロセスを指南している、という。もっとも、ギリシア国民は年初来既に400億ユーロを海外へと持ち出している。

 同国中銀に拠れば、10-11月だけで預金の海外流出は140億ユーロに上ったようだ。ユーロ離脱となれば預金封鎖されるのは確実であり、国民は既に対応を始めている。それに比べてギリシア向け債権を保有する銀行の対策はやや遅いかもしれない。特に国債は、現行の合意水準である50%減価では済まない可能性が高い。当面は思考実験の段階に過ぎないが、その実現確率は国債利回りと同様に、ある時点で一気に上昇することになるだろう。


 この記事は「世界潮流アップデート」からの抜粋です。
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