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12/13 鮮明化するユーロ圏の市場懐疑主義

◇マーケット・ウィンドウズ  

 財政規律強化の方向性を確認したEUサミットは、取り敢えず目先の不安感を緩和する役目を果たした。英米メディアによる批判や不満が渦巻く中でも、市場の国債投げ売りは影を潜めユーロも買い戻されている。だがそれは一時的な小康状態に過ぎない、との見方は消えていない。ユーロ圏が先送りした幾つかの点が年末から来年にかけて再び狙い撃ちされる可能性は、まだ少なからず残っていると見ておくべきだろう。

 ユーロ圏危機は幾つかの階層を為している、とFT紙は述べ、先週のサミットは網羅的に解決方法を示せた訳ではない、と指摘する。市場メッセージを無視し続けるユーロ圏の対処法に関し、同紙は徹底して批判的である。財政規律という長期的施策は必要だが、同時に流動性に対しても早急な措置が採られねばならない。同紙は、首脳会談がECBを動かす為に十分な施策を講じなかったことは禍根を残すだろう、と述べている。

 26か国による新協定は、財政規律への結束を高めるという意味では大きな前進だ。だがギリシアがそのルールを遵守出来る保証はない。また今後民間投資家が国債保有で損失を強制されることはないと言うものの、ポルトガルなどデフォルト候補国の元本毀損が絶対にないとは言い切れない。イタリア10年国債利回りも7%から6%台へと低下しているが、この水準のままでは来年の借り換えは財政的に相当厳しい。

 銀行やHedge Fundなどによる国債投資再開で一方的な価格下落は収まる可能性が高いが、市場の不安定さや比較的高い利回りは来年以降もユーロ圏を悩ませ続けるだろう。S&Pによる格下げも懸念材料として影響し続ける。先般の一件で、ECBのDraghi総裁の対話法に疑問符を付ける向きも増えている。銀行の資金調達コスト増や自己資本不足、そして資産の劣化などは、一朝一夕に改善するものではない。

 EUサミットの隠れたメッセージは成長主義の放棄である。やや極端に言えば財政規律強化の為には景気鈍化もやむを得ないとの政治経済哲学であるが、これは銀行の信用縮小を通じた経済縮小を意味するものだ。成長を前提とする資本市場にとって、一種の未知との遭遇であろう。恐らく市場はこの路線を受け容れられない。だがユーロ圏の市場主義との対決姿勢も鮮烈だ。この勝負は簡単には決着しないように思える。


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