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12/12 欧州銀行問題の余波

◇世界潮流 倉都康行  

 欧州に対する市場不安は、ECBによる利下げ・国債購入コミットへの期待、イタリアの追加財政再建策、IMFの関与姿勢、EU条約改正への独仏合意などの諸要因によって、少しずつ緩和されつつある。国債のパニック的な売りも影を潜めているようだ。但し、銀行の資金ポジションはまだ不安を抱えたままである。今週行われたECBによるドル資金供給オペには、市場予想を大きく上回る札が差し入れられている。
 今週ECBが行った3か月物ドル資金オペには、欧州34銀行が総額507億ドルの応札を行った。また1週間のオペにも5行が16億ドル応札したことが判明した。先週6中銀が合意したスワップ協定の拡充・緩和の後の初入札ということで注目されたが、市場が予想していた100億ドル程度の入札規模を遥かに上回る応札額は、やはり欧州銀行のドル調達不安が如何に大きいかを示していると言えよう。応札行が34行に達したことに驚く向きもある、とFT紙は報じている。

 問題は、欧州銀行のドル需要の背景である。単に有価証券投資のFundingなら証券を売れば解決する。だが恐らくその大半は中南米やアジアでの融資であろう。更にPE Fundもその「犠牲者」である。Dealogicの統計に拠れば、10-12月期の欧州Buy-Outの総額は115億ドルと前年同期の約20%程度の水準にまで落ち込んでいる。これは2009年4-6月期以来の低水準だ。案件はあるのに銀行から資金が出ないのが原因である。

 勿論、全く資金源が枯渇している訳ではない。M&A市場でも小型案件は成立している。2008年のLehman Shock直後に欧州銀行がECBから1,079億ドルという巨額の流動性供与を受けた時期に比べれば、まだ緊急事態という段階ではなさそうだ、と同紙は報じている。だがBuy-Out市場には以前の買収案件で利用したCDOのリファイナンスという厄介な問題もある。新規案件ではなくこうしたリファイナンスへの懸念が今後強まる可能性もあろう。

 ドルだけでなくユーロそのものが取れない銀行がある。今週ECBはOvernightの緊急枠が81億ユーロ利用されたと発表している。S&Pは今週、Deutsche BankやBNP Paribasなど欧州大手金融機関の格付けを引き下げ方向で見直すと発表した。Sovereign格付けと違って、銀行格付けにはまだそれなりの意味がある。ユーロ・パニックはやや沈静化するだろうが、欧州銀行問題がニュースのヘッドラインを飾る傾向は、暫く収まらないだろう。

 この記事は「世界潮流アップデート」からの抜粋です。
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