スポンサーサイト

スポンサー広告  

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

12/07 ソブリン格付けから卒業せよ

◇マーケット・ウィンドウズ  

 今週木曜日にECB理事会、金曜日にEUサミットと山場を迎える欧州では、独仏首脳がEU条約改正案で合意し、サミットで共同提案する方向が固まった。FT紙に拠れば、財政規律強化への制裁案に加え、将来の財政救済措置においては民間投資家に負担を強いることはない、という条項も含まれているという。それはフランス案にドイツが譲歩したものと見られる。ドイツが主張した条約改正にフランスが応じたことへの返礼だろう。またドイツが主張していた財政ルール違反の際の裁判所の関与についてもトーンダウンしているようだ、と同紙は報じている。先週既に報じられていたように、独仏はEU27か国での早期改定が難しい場合には、ユーロ圏17か国で先行させるとの姿勢も明らかにしている。

 だが、今後何らかの財政不安が生じた際にも民間投資家は安心できるかどうか、100%の保証はないかもしれない。一定の債権放棄なしに財政再建が出来ないとなれば、自発的な損失計上は想定されうるからだ。金融市場は、条約だけでリスクフリーが担保されるような構造にはなっていない。今後も信用判断は重要だろう。だがソブリン格付けが信用できるかどうか、かなり怪しくなっているのも事実である。S&Pは独仏などAAA6か国を含むEU各国の格付け見通しを引き下げ方向で見直すと発表して市場を失望させているが、ソブリン格付けとデフォルトの相関関係は極めて希薄であると言わざるを得ない。

 国債利回りとソブリン格付けには密着性がある。それが相互作用を伴って市場パニックに追い込むことはこれまで中南米やアジアなどで何度も見てきた。今回の欧州も例外ではない。その歴史で明らかになったのは、利回りと格付けだけでは流動性リスクとデフォルトリスクの区別が付かないことである。従って、7%という「危険水域」が十把一絡げにデフォルトリスクと見做されてしまった。勿論、それがあったからイタリアは首相を交代させて追加財政改革案も発表することが出来たことは否定出来ない。信用判断尺度は必要だ。但し、ソブリンに関してはそろそろ格付け会社依存から卒業すべきである。それほどの経験や知識がなくても、少し勉強すればギリシアとイタリアの状況がどんなに違うか、一目で解る筈である。


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。