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12/06 IMFの正しい利用法

◇マーケット・ウィンドウズ  

 ユーロ圏における債務問題対応の主な欠陥は、ギリシア問題を過小評価したこととイタリアへの伝染ルートを看過したことである。結果的に収拾不能の状態に陥り、欧州内だけでは解決が困難となってIMFの助けを借りることになった。裕福な先進国へのIMF出動に関しては批判も少なくないが、市場の嵐を収める為にはもはや他に方法が無い。もっとも最終的に損失リスクを取るのがユーロ圏であることを、制度的に担保する必要はあるだろう。

 ギリシアやポルトガルは「Default Risk」に晒された国であり、スペインやイタリアは「Liquidity Risk」に直面する国である。具体的には今後半年間にスペインは1,500億ユーロ、イタリアは2,760億ユーロの借り換えが必要だ。ギリシアへの不安が10年国債金利を7%に押し上げた際のリスクと、イタリアの同債が7%を超えた意味は異なるものである。だが売りで稼ぐしかなくなった市場は、その区別など関係ないとばかりに売り圧力を強めてきた。

 本来の処方箋はイタリア・スペインの借り換えコストを下げることである。だがパニックに陥った市場は両国そしてフランスまでも元本リスクを懸念し始めてしまった。政治的対応として、医療でいうER(Emergency Room)の存在が無かったことが敗因だ。結局その市場懸念を収束させる為にはIMFの助けを借りるしかなくなった。NY Times紙に拠れば、欧州各国中銀がIMFに融資を行い、それを原資にIMFが資金支援を行うスキームでほぼ合意したようだ。

 既にIMFはPIG三か国への支援に加えて、イタリアへの財政監視という役割を果たしている。但し従来のIMF支援とは違ってInitiativeを持たないままの関与であり、中途半端な印象は拭えなかった。そこにはIMFの出動に反対する声も影響しているだろう。今回の合意に関しても、元IMF Chief EconomistのSimon Jonson氏らは、本当は支援力のある欧州に何故IMFが関与する必要があるのか、と厳しい反対意見を唱えている。

 Raghuram Rajan氏も、欧州の貿易収支はネット黒字であり損失は十分に吸収できる地域だと指摘するなど、暗にドイツの消極対応を批判する声は少なくない、と同紙は述べる。だがドイツを追い詰めると「想定外のリスク」を生むことは否定出来ない。最終的なリスクを欧州が負担する形式でIMFをクッションに利用するならば、それは国際機関の関与にPositiveに反応し易い市場の特質を踏まえた賢いIMF利用法となるのではないか。


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