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11/28 米国TBTFのリスク

◇世界潮流 倉都康行  

 いま市場の目はユーロ圏に釘付けであるが、欧州の銀行経営に対する懸念が米銀に飛び火する可能性にも関心が強まっており、FRBは全米31行へStress Testを実施する方針を発表、大手は特に欧州国債を意識した査定となるようだ。国内ではDodd-Frank法が導入されて細則も具体化しつつあり、G20による大手への自己資本積み増し要請などもあって、防御壁は強化されているように見えるが、「Too Big To Fail (TBTF)」のシステムが放置されている事実に変わりはない。
 Fitchが示した米銀格付け見直しの可能性は、特に唐突なものでは無い。S&Pも主要30行の格付け見直しを示唆しており、大手米銀の格下げは必至と見られる。米銀が邦銀や欧州系銀行よりも財務体質が良いというのは神話に過ぎない。国内の住宅・消費低迷長期化と欧州混迷、そして新興国経済の息切れは、危機後に「焼け太り」した米銀にとって大きな逆風である。特に「TBTF」問題は、実体経済の揺れを必要以上に増幅する病巣になりかねない。

 Dallas連銀のFisher総裁は、先週Columbia大学における講演で米国の金融システムに対して手厳しい問題提起を行っている。昨今の米金融当局者の発言は、国内経済見通しやFRBの緩和政策そして欧州動向などに集中しているが、同総裁は「TBTF」こそが米国内最大の問題であるとの認識を踏まえて、金融機関の縮小という大胆な外科手術だけが米金融システム問題解消の唯一の道である、と強調している。

 同総裁は、Dodd-Frank法や「G-SIFI」対策、「Living Will」の導入、そして金融消費者保護などの政策を評価しながらも、それらにはすべて決定的に限界があると指摘し、現状の金融システムは「非生産的で維持コストも高く社会的問題を抱えている」と明言している。金融機関の外科手術の必要性は米国に限定されるものではない、との同総裁の警戒感は、Brown BrothersやFisher Capitalでの実務経験を踏まえたリスク感覚から醸成されたものであろう。

 IMFの元Chief EconomistであるSimon Johnson教授は同総裁の講演を絶賛し、金融機関の中にもその意見に同調する人々が増えていると指摘した上で、外科手術はまずCitigroupで行われるのが望ましい、と述べている。同行CEOのPundit氏は「Global Transaction」と「Emerging Market」を収益テーマに挙げているが、両部門ともに巨大なバランスシートは必要ないからだ。米銀は、欧州からの津波到着までに何らかの防御策を講じることが出来るだろうか。


 この記事は「世界潮流アップデート」からの抜粋です。
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