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11/21 「コア・ユーロ」への道程

◇世界潮流 倉都康行  

 2009年秋にドバイに続いてギリシアの財政問題が表面化した際、誰がここまで欧州の事態が悪化することを想像出来ただろうか。識者の間にもギリシアという小国が与える影響は軽微だとの見方が多数であった。それはFRBがSub-Prime問題を過小評価したのと似ているが、少なくとも米国の場合には問題の深刻さを指摘した人は皆無ではなかった。それだけ欧州は予想が付きにくいのかもしれないが、その将来像が「コア・ユーロ」へと収束していく姿は、徐々に見え始めている。
 EFSFによる財政危機の収束の可能性は大きく後退しつつある。基金総額の多寡もあるが、EFSFの格付けにも懸念が出始めたからだ。先般、S&Pは誤ってフランス国債の格下げ通知を公表するという致命的なミスを犯したが、それは同社が既に格下げ準備をしていることを世界に知らしめることになった。フランスがAAAを失えば、EFSFへの格付けに大きく影響することは確実である。従って、EFSFがダメならECBしかない、との声が湧き上がっている。

 だがそもそもEFSFはECBの一時的役割を引き取る為に構想されたものであり、話をECBに戻すのは本末転倒だ。Merkel首相は「ECBがユーロ圏の問題解決することは不可能だ」と明言し、EU条約を改定して強力な中央集権的機関にドイツの国家主権の一部を委譲しても良い、という姿勢までも打ち出している。それはSarkozy大統領が提唱する「Franco-German」の結束強化を図る路線でもある、とFT紙は報じている。

 またフィンランドのStubb外相は「ユーロ圏においてAAA/Aaaを維持する6か国がより強い権限を持つことが必要だ」と述べて、ユーロ圏の現行枠組みを維持しながらもその運営に関しては各国の発言力に濃淡を付けるべきとの発言を行っている。これは「Core Euro」とも呼ぶべき政治概念であり、独仏が進めようとする枢軸的な路線を支持するものだ。ユーロ圏には、徐々にこうした域内変貌への議論が進み始めたように見える。

 Van Rompuy大統領は「Core Euro」の概念には難色を示し、Barroso欧州委員長もSarkozy大統領が示すような「Two Speed Europe」といった考え方には異議を唱えている。EU27か国のうちユーロ未加盟の10か国にとっても「AAA/Aaaグループ」が主導権を握る体制には強い抵抗感が生まれるだろう、とFT紙は報じる。だがユーロにもはや現状維持や後戻りの選択肢はなくなった。副作用覚悟の「Core Euro」に向かうしか、残された道は無さそうだ。


C. 国際政治経済のアップデート

 この記事は「世界潮流アップデート」からの抜粋です。
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