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11/05 スペインに向かう投機筋の目

◇マーケット・ウィンドウズ  

 昨年来、欧州市場でPIGに次いで財政問題が警戒されてきたのはスペインとイタリアであった。夏までは、弱小金融機関を多数抱えかつ失業率が20%を超えるスペインの方が脆弱とも見られていたが、市場に狙い撃ちされたのは政治不信感の強いイタリアであった。そのイタリアで首相退任や財政改革法案など進捗が見えてきたことから、あらためてスペインの弱点へと目を移し始める向きが出始めているようだ。

 年初の10年国債金利水準は、イタリアが4.8%であったのに対してスペインは5.4%であった。市場は明らかにスペインを「次の標的」と認識していたが、両国の金利水準が逆転したのが8月である。それ以降、市場の視線はギリシアとイタリアに集中して注がれることになった。スペインが焦点から外れたのは、11月20日に予定されている総選挙への期待感やGDP比で見た債務残高シェアの相対的な低さであったと推察される、とFT紙は報じている。

 確かにGDP比で見たスペインの債務残高シェアはイタリアの約半分に過ぎない。だがそれは決して安心材料ではないと指摘する向きもある。UBSは、同国の本年の財政赤字が当初計画のGDP比6.0%から6.6%に拡大する可能性や、今後厳しい景気後退へ陥る可能性が高いこと、そして金融機関への支援が財政を大きく圧迫すること、の三点を挙げてイタリアよりも同国の信用力が勝るとは言い難い、と述べている。確かに同国の銀行問題は無視できないだろう。

 但し今週末の総選挙では中道右派の国民党が政権を奪取する可能性が高く、市場が求める緊縮財政政策を徹底することになりそうだ。それがスペイン国債への売り圧力にブレーキを掛けている。一方で、それが結果的に高い失業率を更に引き上げると同時に、マイナス成長を長引かせるとの懸念も浮上している。依然として高い債務を引き摺る民間企業に大きな負担が掛かれば、銀行の不良債権が大幅に増えると危惧する声もある、とFT紙は報じる。

 そこには、緊縮財政がもたらす財政再建への期待値と景気後退への警戒感が交叉している。赤字削減は長期的には経済の健全性を担保するが、短期的には厳しいRecessionを生む。だが痛みを和らげようと財政再建の手綱を緩めた瞬間に、市場の餌食になることは不可避である。欧州諸国に選択の余地は無くなったようだ。イタリアの惨劇を教訓にするとすれば、目先の厳しさに耐えるのがスペインの唯一の選択肢となりそうだ。


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