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11/14 ユーロ圏のマジノ線決壊

◇世界潮流 倉都康行  

 ユーロ圏の財政問題は基本的に「PIG」の三か国であった。そのうちアイルランドは持ち前の工業力などを武器に輸出力を高めており、徐々に財政危機から脱出しつつある。ギリシアとポルトガルは「秩序あるデフォルト」は避けられないだろうが、そこで危機を食い止めればユーロ圏は持ち堪えられる可能性があった。だがイタリアなどに波及させない為の「Maginot Line」は決壊し、事態収拾は困難になりつつあるように見える。

 今週イタリア10年国債の利回りが7.45%にまで急騰し、支援要請に追い込まれるのではないか、との恐怖感や警戒感から世界の株価は全面安となり、米国では特に金融株が狙い撃ちされて大幅な下落となっている。同国内の政治情勢にも不透明感が強く、早期の危機収束は難しいとの見方が大勢だ。さらに市場不安を増幅させたのは、ユーロ圏自体の行く末への不透明感だろう。Reutersに拠れば、独仏はEU経済体制の抜本的改革への検討に乗り出したようだ。

 市場がこれを「ユーロ圏再編やユーロ解体への道程」と解釈するのは当然だろう。先月末には1.42ドルまで回復していたユーロ・ドルは1.35台へ急落している。両国がどのような計画を議論したのかは不明である。ドイツ現地紙は、両国が「速度の違う経済国」やドイツCDUが提示した提案などを協議したようだ、と報じているが、具体的な内容は解らない。想像を逞しくすれば、ギリシアなど複数国のユーロ離脱というのが最も有りうる検討内容だろう。

 だがユーロ離脱は更なる大混乱を生むリスクを孕むものであり、容易な作業ではない。むしろ今は「Maginot Line」の位置を再考すべき時期である。ECBによる買い入れにも限界がある。こうなっては、財政監視を開始するIMFが早々に何らかの声明を発表し、イタリア不安を鎮静化させることが必要だ。市場は既に「感染ルート」としてフランスへの懸念し始めている。イタリア対策でもお手上げなのにフランスまで感染するようではドイツにも打つ手はない。

 FT紙に拠れば、中国とインドは今週「先進国は自らの債務を適切に管理すべき」との異例の共同声明を発表し牽制球を放っている。先般のG20サミットで欧州の要請に示した冷ややかな対応をあらためて表現したものだ。だが米国が殆ど頼りにならない現状、やはり欧州危機はG20とIMFで食い止めるしかない。新興国も欧州経済が崩壊すれば共倒れだ。世界は、経済危機から生まれた政治危機が更に経済危機を増幅させる悪循環に陥ろうとしている。


 この記事は「世界潮流アップデート」からの抜粋です。
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