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11/08 イタリア国債の「敗戦」

◇マーケット・ウィンドウズ  

 EU首脳やメディアなどはまだギリシア動向から目が離せないようだが、市場の目はもはや事実上のデフォルトがコンセンサスとなった同国に置かれていない。いま投機筋の狙いはイタリア国債である。Primary Balanceは黒字なのに10年債利回りが6.4%台に達するというのは市場が冷静さを失っている証拠でもあるが、選択肢を無くしたイタリアは先週末、IMFに財政改革実行状況の監視を要請するという異例の判断に追い込まれている。

 イタリアの10年国債利回りは8月に6%を超え、ECBはその国債買取リストに同国債を加えることになった。以来3か月の間にECBが購入した金額は700億ユーロに上る、とFT紙は報じている。イタリアは750億ユーロの財政赤字策を決定したものの、その実行力には常に疑問符が付き纏っている。追加購入を余儀なくされたTrichet前総裁はその不満を隠すことが無かったが、独仏首脳もBerlusconi首相に対する信用を捨ててしまったのは明らかだ。

危機包括策の合意を前にイタリアはEUに対して「Letter of Intent」を差し出して財政赤字削減へのコミットメントを表明したが、G20直前に削減実行に関する閣議決定に失敗するなど、信頼感は地に堕ちたと言って良い。EUのVan Rompay大統領は「我々がイタリアを追い込むようなことはしない」と同国が自発的にIMFに監視要請を行ったように説明しているがが、自ら喜んでIMFの軍門に下るような国はない。独仏などが強く圧力を掛けたことはほぼ間違いない。

 先進国がIMFの監視下に入ることは極めて異例のことである。1990年代に、不良債権問題と財政赤字拡大に悩む日本がIMFの査定を受けて監視下に入る、と囁かれたことがあった。IMF第二の出資国がその監視下に置かれるというのは有り得ないというのが当時のコンセンサスであったが、今回のイタリアはユーロ圏第3の経済規模を誇る経済大国であり、また日本と違ってPrimary Balanceが黒字の国でもある。もはや債務問題にタブーは無いのかもしれない。

 Berlusconi首相は、IMFの監視は受けるが低利融資は不要だ、と明言している。金利は上昇中だがIMFによる監査で市場の信頼感が回復すれば資金調達に問題はないとの認識である。但し同国は来年3,000億ユーロの借り換えが必要であり、調達が円滑に行われるかどうかは微妙だろう。G20における新興国の欧州に対する姿勢は実に冷淡なものであった。大きく損なわれたイタリアの信認は、果たしてどこまで修復しうるのだろうか。


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