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10/31 欧州の銀行はどう動くか

◇世界潮流 倉都康行  

 EU危機対応策を巡る土壇場での銀行団の譲歩は、市場にPositive Surpriseをもたらした。首脳会談での包括案発表は困難と誰もが思っていたところに、IIFがギリシア債務削減率50%で合意というニュースが飛び込んで、一気に市場ムードは好転していった。銀行団の説得という最大の難関を乗り越えたことは評価されるが、今後の問題として、譲歩を強いられた欧州の銀行がどういう行動を見せるのにも注意を払う必要がある。

 深夜・未明まで続いた緊迫の協議の顛末は、いずれFT紙あたりの記者が本に書いてくれるだろう。数世紀の歴史において構築された「国家VS.金融」の構造は今でも変わらない。銀行は最後には折れるしかないのだ。銀行に出来るのは、債務再編のスワップで取得される新ギリシア国債の担保価値を最大限にまで引き上げる交渉であったと思われる。いずれにしても、最悪の事態を回避した独仏首脳の努力はひとまず評価されて良いだろう。

 問題は今後の銀行動向だ。市場は銀行の資本増強がどの程度どういう形式で行われるかに注目しているようだが、一方で銀行経営がどういう戦略の選択を考えるかも同様に重要だろう。追加負担を強いられる銀行経営者が考えるのは、まず資産売却だ。これは損失穴埋めと自己資本の両面から必然的に最優先の選択肢となる。スペイン最大手Santanderは、早速30億ユーロの不動産売却を発表している。

 既に資産売却を手掛けている銀行も、追加の施策を検討せざるを得ないだろう。一方で新規融資には当然ながらブレーキが掛かる。公的資金注入を最小限に食い止める為に、必要資本額を如何にミニマイズするかが経営の最重要課題なのだ。夏以降、欧州金融界では大規模な人員削減が発表されてきたが、追加のリストラを検討する銀行も出てくるだろう。金融産業は大幅に縮小となる可能性が高い。それは必然的に欧州の景気後退確率を上昇させる。

 政府は銀行に追加負担を要請することは出来ても、規模縮小を止めることは出来ない。更に、欧州の政治家には米国のような「GDP絶対主義」への意識や信仰が薄い為、マイナス成長に対する嫌悪感がそれほど強くない。今回の危機発生の代償として、銀行による無防備な融資を縮小させることが必要だと考えるのであれば、健全化の為には収縮も必要と考えるかもしれない。米国と同じように、危機対策後の景気浮揚ムードを欧州に期待することは難しいだろう。


 この記事は「世界潮流アップデート」からの抜粋です。
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