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10/12 欧州版「TARP」は成功するか

◇マーケット・ウィンドウズ  

 Barroso欧州委員長が「協調的な銀行資本増強」の姿勢を打ち出し、独仏両首脳が具体策のデッドラインを10月末に設定したことで、欧州にも「米国版TARP」実行への期待感が高まっている。だがドイツやオランダはEFSFの利用は最後の手段との認識を示してフランスと対立しており、まだ具体策の行方は不透明である。仮にユーロ圏の方向性が一致したとしても、2008年の米国を思い出せば、公的資金注入の前に厄介なハードルが幾つも聳えていることは想像に難くない。
 日本でも1998-9年の公的資金注入には異論があった。弱小行救済は過剰保護との強硬意見もあれば、大手行からは追加資本不要との強い抵抗もあった。だが結果的にはそれが金融安定への道標となった。米国でも2008年のTARPに対して議会が一度「NO」を突き付けたことは記憶に新しい。だが結果的に公的資金注入案は可決され、それによって金融システム崩壊リスクは回避されたのである。欧州でも似たような展開が繰り返される可能性はあろう。

FT紙のGillian Tett氏は、欧州は公的資金注入に関して米国から6つの教訓を学ぶべきだと指摘する。まずは金額だ。当時、Paulson財務長官が設定した7,000億ドルというTARPの多寡を巡って論争が起きた。現在欧州でも4,400億ドルのEFSFを巡る議論が噴出し、米国からは2兆ドル必要といった声も上がっているが、空砲よりも裏付けあるデータを信じるべきだ。二つ目は、政策は「Single Team」で主導されるべきという点だ。船頭が多ければ船は山へ登る。

3番目は民主主義を過信しないことだ、という。米議会がTARPを阻止したように、民意の尊重は危機対応の妨げになることがある。銀行の言い分も聞いていれば切りがない。緊急時には「脱民主主義」も必要だ。またTARPが当初の「不良資産買取り」から「資本注入」に修正されたように、政策に自由度を与えることも必要となる。5番目はStress Testで市場が懸念している部分に焦点を当てることだ。それに2度も失敗した欧州に3度目の空振りは許されない。

欧州諸国が米国と同じ対応を取れる保証はない。むしろ行動パターンは硬直的・保守的・民主的で政策遅出しの日本に似ている。その欧州にとって好材料は6番目の教訓だ、と同氏は語る。それは、日本も米国もすったもんだの結果として何とかコストを最小限に止めて金融危機の拡大を阻止できた、という実績である。独仏間の利害調整を早急に講じてEFSFの出動を速めることが金融システム危機克服への大きな第一歩となることに、疑念の余地はあるまい。


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