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10/06 不可避の国家信用低下

◇マーケット・ウィンドウズ  

米国の9月ISM製造業景況感指数は前月の50.6から51.6へ上昇し、製造業の回復地合いを示している。市場のリセッション懸念もやや後退しているようだ。日本の大震災の影響も払拭されて生産面での落ち着きが戻ったと言えるが、気になるのは新規受注が49.6と横ばいとなっていることだろう。また、JPモルガンが算出している世界の製造業景気指数も8月の50.2から9月は49.9へと落ち込み、2009年6月以来初めて50を割り込んでいる。こちらも新規受注が前月の49.4から48.5へと低下しており、成長速度のさらなる鈍化が懸念される。やはり中国やブラジルをはじめとする新興国経済の成長ペース鈍化が響いているのだろう。復興需要に支えられている日本は一人で気を吐いているが、世界経済がこれでは株価への期待値にも限界があろう。
 もっとも市場が一番懸念しているのはやはり欧州だ。ユーロ・ドルは1.31台へ下落し、ユーロ円は100円台にまで値を落としている。ギリシアも融資実行を受ける為に必死の努力を示すが、歳出を減らしても税収やGDPが減少するために、財政赤字のGDP比は悪化するばかりである。ベニゼロス財務相は2012年予算案を示しながら「プライマリー・バランスで見れば2009年の240億ユーロの赤字から2012年には32億ユーロの黒字に転換する」と強調して見せるが、トロイカ融資団の条件である財政赤字のGDP比が改善を見せない事には説得力も欠ける。ドイツやオランダの政府内からは、「ギリシアが全債務を返済できるとは思っていない」といった言葉が漏れ始めており、デフォルトへのカウントダウンは依然として進行中である。

 そうした中で金融株への警戒感も強まる一方だ。JPモルガンは、欧州系銀行の資本不足額は、厳しいリセッションを想定すれば最大2,270億ユーロに達するとの試算を発表している。これはIMFの2,000-3,000億ユーロの推計とほぼ同水準であり、市場も恐らくこのあたりをコンセンサスとして見ることになるだろう。問題はこれを誰が提供するか、であるが欧州に疑念を抱く民間には限界があるしSWFも米系金融への出資の失敗で懲りた筈だ。資産を売却するという手もあるが、それには時間もかかる。やはり政府出資しかないが、それは各国の格付けを引き下げる方向に働く。EFSFだろうがESMだろうが、似たようなものである。最後はやはり国家の信用低下という結末に向かっていくしかない。それを避けられるような魔術は、金融理論にはあるかもしれないが、歴史書にそんな史実は見当たらない。


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