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10/03 欧州危機の本当の原因は

◇世界潮流 倉都康行  

 ギリシアをはじめとする欧州債務危機は、文字通り「国家債務」に対する市場不安を指している。それが欧州の銀行や経済そしてユーロという通貨への不振や不安を駆り立ててきた。だが一連の市場混迷は、必ずしも債務への懸念から生まれたものではない、という指摘もある。ユーロ導入後の経済統計を手繰ってみると、PIGなどの国々に見られるのは、財政赤字の拡大ではなく経常収支の悪化であるからだ。

 著名なブログ「Street Light」を運営するエコノミストのKash Mansori氏は、現在の欧州危機について「過剰債務が主因だ」とする考え方は誤りであり「経常赤字が問題だ」と指摘している。その根拠は、各国におけるユーロ導入後の財政赤字と経常赤字である。2000-2007年の平均値として、確かにギリシアは財政赤字がGDP比5.4%と大きいが、ポルトガルは3.7%、イタリアは2.9%、フランスは2.7%である。スペインに至っては0.3%の黒字なのである。

一方で経常赤字を見れば、ポルトガルは平均値でGDP比9.4%、ギリシアは8.4%、スペインは5.8%と軒並み大幅な拡大を見せている。因みにアイルランドは1.8%、イタリアは1.3%の経常赤字で、その他の主要国は黒字となっている。この経常収支の黒字国と赤字国は、ほぼ資本流出と資本流入の関係に等しい、とMansori氏は述べている。簡単に言えば、ユーロ導入を契機としてドイツからギリシアに堰を切ったように資本が流れ出した、ということだ。

 そうした資本の流れが金融危機を契機にして一気に停止したことが、資本流入国の経済状況を一変させた。それが財政の赤字を招くことにもなる。同氏は1994年のメキシコ危機と相似形だ、と指摘している。韓国が1997-8年に大量の資金流出に見舞われたのも、同じような出来事なのかもしれない。そうしたSystemicな原因で不安が増幅されていったとするならば、危機解消の処方箋もそこに立ち返って考える必要がある。

 経常黒字国から赤字国へ資本が流出したのは、為替リスクなしに高いリターンが狙えるという理由からだ。だが資本の動きが止まれば赤字国だけが困るという「リスクの非対称性」がそこには存在すると同氏は述べ、その不公平を正す為には黒字国もリスクをシェアせねばならないとして、ドイツの負担増はやむを得ないとの結論を引き出している。だが経常黒字の優位性を誇りにしているドイツに、この議論が簡単に受け容れられることはなさそうだ。


 この記事は「世界潮流アップデート」からの抜粋です。
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